9.11 同時多発テロについて


 今日は9.11、2001年に起こった同時多発テロから25年となる。
 当日はちょうどバンクーバーでJapan-USケーブルプロジェクトの会合中であった。会議は9月6日~12日であったがちょうど最終日の前日である11日の朝、ホテルで朝食をとっていると食堂の真ん中で欧米グループのメンバーが集まって何やら話している。朝食を終え会合の事務局に行くとAT&Tの女性スタッフがテレビを見ながら涙を流している。どうして興奮しているのか不思議に思ったが事務局にあるテレビの映像を見るとなんとニューヨークにあるワールドトレードセンターが崩れる様子が映し出されていた。最初は映画かなにかのドラマかと思ったがどうやらニュース映像である。周りのスタッフに聞くとテロによる攻撃だということでその時初めて知った。

 9時から予定通りJapan-USケーブルのPMG会合が始まったが、議長から事件のことが告げられ会議は打ち切られ、会議に参加しているメンバーはとにかくそれぞれ帰国することとなった。こちらはこの会合で難題を抱えていて毎日寝る時間もなく会議に臨んでいたので幾分ホッとするもニュースを聞いていると米国本土の航空便はすべて止まっているという。すぐさま一緒に会議に参加していた同僚にとにかく本社と連絡をとって帰国便を確保することを頼んだ。私はというと、この会合で追及されていた難題に対する対応などニュージャージーにある米国子会社の社長と連絡を取り合っていたので、さっそく社長であるレオーネ氏(イタリア系アメリカ人)に電話して会合の様子を報告するともにニューヨークで起こった事件に対しお悔み(Condolence)を伝えた。すると社長のレオーネ氏からはひとことrevenge(復讐、報復)だとすぐさま返事があった。その言葉にちょっと戸惑いを感じたが、アメリカ人の考えを知った次第である。

 さて会議はもとにかく閉会となったのでとにかく日本に帰る手立てを考えないといけない。同僚は本社に連絡を取っているが日本においても航空便の手配がつかないと言う。そこで我々の航空券であるエアカナダに直接電話するといつ出発できるかわからないが乗りたければ空港に来い、ということであった。さっそく荷物をまとめてとにかく空港に向かう。空港では長蛇の列、その中にイギリスから来たメンバー(英国Alcatelのマークさん)もいて話をすると同じくいつ出発できるかわからないと。とにかく並んで待つほかはない。空港にはお昼頃に着いていたが、夕方韓国ソウルに行く便だけが出るというアナウンスがあり、とにかくそのフライトに乗ることにした。ようやくチェックインカウンターが開き手荷物検査に行くと係官の検査が厳しくパソコンは電源を入れて動くかどうかまでチェックを行っていた。無事18:30発のソウル便(AC899)に搭乗できて翌朝インチョン空港に着いた。インチョン空港でエアカナダが手配したホテルに1泊し、その翌朝大韓航空(KE701)便で成田に帰国できた。同じく会議に出席していたM電機の方々は我々が出発した翌日に直行便で帰国できたとのことであった。また次の同会合でスプリントの方からバンクーバーからなんとレンタカーで5,000kmを車で帰ったという。


 あれから25年経過し、空港の荷物検査や入出国検査は厳しくなり、今のところハイジャックや9.11に匹敵するようなテロは起こっていない。ただ世界はだんだん悪くなってきたように思う。コロナ禍が終わったと思ったらロシアによるウクライナ侵略、米国とイスラエルによるイラン攻撃、おかげでホルムズ海峡封鎖による原油価格の高騰を招いたり世界経済にとって深刻な影響を及ぼしている。それに今年の夏は酷暑かと思ったら大雨に見舞われたり異常気象もますます顕著になってきている。


 それにしても気になるのは最近のトランプの言動、イランとの交渉においても「石器時代に戻る」と言ってみたり、メキシコ湾をアメリカ湾、オンタリオ湖をアメリカ湖と呼ぶと言ってみたり、最近のニュースでは中間選挙で共和党が勝ったら5,000ドルを給付するとか、まさに商売人まるだしの発言である。


 トランプといえば映画「アプレンティス Apprentice」があった。
 1980年代。気弱で繊細な若き実業家ドナルド・トランプは、不動産業を営む父の会社が政府に訴えられ破産寸前まで追い込まれていた。そんな中、トランプは政財界の実力者が集まる高級クラブで、悪名高き弁護士ロイ・コーンと出会う。勝つためには手段を選ばない冷酷な男として知られるコーンは意外にもトランプを気に入り、「勝つための3つのルール」を伝授。コーンによって服装から生き方まで洗練された人物に仕立てあげられたトランプは数々の大事業を成功させるが、やがてコーンの想像をはるかに超える怪物へと変貌していく。
 トランプの師匠 ロイコーン弁護士の言葉
 Relationship with attorney Roy Cohn, a contentious lawyer
 「勝つための3つのルール」
  1. アタック、アタック、アタック
  2. 絶対非を認めるな
  3. 勝利を信じろ


 政治家が商人そのものの言葉である「ディール」を口にすることは今まで聞いたことがない。最初は新たな外交手段のひとつかと思ったが、トランプの場合はその裏に自国の利益のみを追求する姿が見え隠れする。倫理とか道義とかがまったく感じられない。これまで商売で成功した人々は大成すると社会に還元する考えをもつ方が多い。また政治家になったとしても政治家として語っていた。少なくともメディアに出るレベルの公的な場ではそうだった。しかしトランプにおいてはその常識が壊れてしまい、商業の語彙で命が取引されている。醜悪である。同時に、商人が商売人根性丸出しで政治をやるのがどれだけ社会にとって害悪となるのかを、世界に知らしめてもいる。
 アメリカ人はどうしてこういう人物を大統領にしたのか疑問を感じざるを得ない。さて11月の中間選挙、どうなるのでしょうか。またイランの最高指導者を殺害したことにより、またまたテロが起こりそうな雰囲気である。9.11に匹敵するような無差別テロが勃発しないことを祈るのみである。

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