会津駒ヶ岳・中門岳
行動記録
行程図
■8月6日(水)
自宅(5:30)==八王子(6:40)
八王子(7:00)==あきる野IC(7:30)==西那須塩原IC(10:30)==見通りオートキャンプ場(12:00)
■8月7日(木)
見通りオートキャンプ場(5:00)==駐車場(5:10)
駐車場(5:20)→滝沢登山口(5:30)→水場(7:00)→駒ノ大池(8:35,8:45)→会津駒ヶ岳(9:05,9:15)→中門岳(9:45,10:05)→中門池(10:10)→駒ノ小屋(10:55,11:35)→水場(12:30)→滝沢登山口(13:40)→駐車場(13:50)
駐車場(14:00)==アルザ尾瀬の里(14:10)
アルザ尾瀬の里(14:30)==西那須塩原IC(16:20)==あきる野IC(18:30)==八王子(19:00)
八王子(19:10)==自宅(20:05)
天気図
■9/6(土) 日の出 05:17, 日の入り 18:05 25.7℃/14.4℃ 南西 1.3m/s
■9/7(日) 日の出 05:18, 日の入り 18:03 28.4℃/14.5℃ 西南西 0.9m/s
天気図、衛星画像 日本気象協会より転載、気象データ:気象庁@沼田(群馬県)
アプローチメモ
・高速道路(あきる野IC-西那須塩原IC):4,220円(ETC休日料金)
往復 8,440円
宿泊・温泉
・見通りオートキャンプ場: 7,000円(バンガロー2名分)
・日帰り温泉アルザ尾瀬の郷: 500円
行動記録
8月にKMT企画で尾瀬沼に行ったが、当初目的の燧ヶ岳は雨のため結局登れなかった。また終日ずっと上下のカッパを着たままでの木道歩きを強いられた。この山行のメンバーからリベンジで燧ヶ岳へという話が出ていて、また東武鉄道で週末に尾瀬行の夜行電車も出てるよ、との話が出てきたので少々調べてみた。確かに北千住発が午前零時で会津高原尾瀬口駅に午前3時に着いて、電車の中で1時間程寝て、始発のバスに乗れば尾瀬御池には朝の6時半には着ける。そしてそのまま燧ヶ岳に登って下りたら前回と同じく午後3時半のバスに間に合う。その線で計画してみたが、電車のチケットや登山口にあたる御池ロッジへの予約など必要で、お天気が悪くなり中止や延期したらキャンセル料が必要となる。そこで車で行く方が日程を天気予報に合わせて柔軟に設定できるので、車で行くことにして計画してみた。
計画しているうちに燧ヶ岳よりもだんだん会津駒ヶ岳の方に行きたくなった。というのも、8月の尾瀬沼山行でワンゲル時代の夏合宿を思い出し、その時登った南会津の山々を見たくなった。当時の夏合宿では前半ほとんど雨にたたられ、景色などまったく記憶がない。また前半はブッシュ漕ぎだったので、その時のコースはどのようなものであったのか確認してみたかった。もう50年以上も前のことで記憶は殆どない。ということで、会津駒ヶ岳、それにその先の中門岳に行くことで計画してみた。車で行くことを前提で、9月の最初の週末にあたる6~7日にして尾瀬沼に行ったメンバーにお声がけしたが、誰とも日程が合わなかった。お天気も良さそうなので、ひとりでも行こうと思っていたが、念のため伊那谷に住んでいる先輩にお声がけしたらすぐ返事が来て一緒に行こうとの返事。さっそく登山口にあたる檜枝岐の民宿に片っ端から電話して予約を取ろうとしたが、どこも満杯、宿の話だと6日に檜枝岐歌舞伎公演があるので、どこも満室だよと言われた。そこで、オートキャンプ場に電話したらバンガローが空いているよということで、さっそく予約した。バンガローに泊るのは初めてであるが、冷蔵庫もあるとのことで、まずは安心した。最悪車中泊も覚悟していたが、とにかく先輩と2人で泊ることにして、会津駒ヶ岳山行は決行となった。
8月6日(土)晴れ
先輩からは朝7時には八王子のマンションに着いているということなので、朝の混雑を懸念して早めに自宅を出たところ、7時前には先輩のマンションに到着した。そこから私の車で圏央道の「あきる野IC」から圏央道・東北道を通り「西那須塩原IC」を出て檜枝岐に向かう。「西那須塩原IC」から檜枝岐まで遠い。またコンビニもないので、今日の晩飯、明日の山行の食料をどこで仕入れるか問題となった。途中、道の駅「たじま」に立ち寄ったら割と大きな店で稲荷やおむすび、またお餅など売っていたので、それを購入し、ひとまず山の食料は確保できた。
お天気は快晴、道路も思ったより広くて交通量も少ない。12時頃に無事檜枝岐村に到着し、さっそくキャンプ場でバンガローの手続きをする。するとなんと檜枝岐歌舞伎の入場券がタダで貰えた。また日帰り温泉の入浴料金も割引して売っていたので購入した。バンガローはというと、小さな木造ではあるが、中は3~4畳といった広さで2人で寝るには十分な広さであった。さっそく荷物を置いて道の駅にある食堂「山人家」に行って昼飯を食べる。
「山人家」では特製豚丼を食べたが、豚丼もさることながら「きのこけんちん」が美味しかった。昼飯を食べ終わったが檜枝岐歌舞伎が3時から開園ということでまだ時間の余裕がある。ただ混んでいそうなので、駐車場を確保するためにキャンプ場からさっそく車で出かける。幸い村役場に駐車できて、そこから歩いて檜枝岐歌舞伎の会場に行くとすでに長い行列が出来ていた。
檜枝岐歌舞伎は江戸時代中頃に村人がお伊勢参りした折り、その道中で観た歌舞伎に感激し娯楽の少ない村でやってみようと持ち帰ったのが始まりだと言われいる。それから約260年、村人達の手で衣装や道具などすべて手作りの歌舞伎で、本格的な芸にまで練られていながら素朴さも感じるとともに、現代まで代々引き繋つがれてきた伝統の重さというものも感じさせられた。
約2時間の歌舞伎公演が終わり、日帰り温泉に入ってバンガローに戻り、冷えた缶ビールと焼きそばなどでささやかな夕食をとって早めに就寝した。
8月7日(日)晴れ時々曇り
前日朝早くから運転したせいか、はたまた夕食のビールが効いたのか7時ごろには寝て目を醒ましたら4時半であった。外はまだ暗いがさっそく身支度して車で登山口の駐車場に向かう。道路には時折車が通り過ぎる。登山口にある駐車場は20台くらいしか停められないのでなるべく早く行かねばならない。檜枝岐の道路からだと滝沢登山口まで30分以上かかるので、駐車場確保は重要である。はたして、登山口付近の駐車場は満杯、Uターンして少々下ったところに駐車場があるので、そこに停めることが出来た。キャンプ場のマスターから教えてもらったとおりであった。あたりは明るくなり、すでに多くの登山者がすでに出発している。こちらも登山靴に履き替えてさっそく出発。約10分程で滝沢登山口に到着した。
滝沢登山口の階段を登り、すぐに山道となり延々と登りが続く。水場までコースタイムで1時間半なので、それを目標に休憩なしに登り続ける。ただし足の筋肉疲労による痙攣が気になるのでゆっくりペースで登る。多くの登山者に追い越されたがほぼコースタイム通りに水場に到着した。そこにはベンチがあり、数人が休憩していた。
水場から駒ノ小屋までさらに1時間半のコースタイム。休憩なしに登る覚悟で出発すると登山道が案外整備されている。やがて樹林帯を抜け木道が出てきて、また広い湿原が現れてきて小屋が近いことを感じる。
駒ノ池の側にあるベンチには大勢の登山者が休憩していた。ここからは南会津の山々が望めて気持ちが良い。少々休憩して会津駒ヶ岳の山頂を目指す。木道が続くが途中の分岐から駒ヶ岳山頂へは急騰であった。
山頂は背の低い松の木で囲まれていて眺望はあまり良くない。ここでは記念写真だけ撮って中門岳を目指す。
駒ヶ岳の山頂から北に下ると視界が開けて中門岳へのなだらかな稜線が望める。また木道に人が歩いているのが分かる。
中門岳への稜線歩きでは巻機山に登った時のことを思い出す。南会津の山は高層湿原があるので気持ちが良い。また尾瀬ヶ原のように人混みもなく静かに散策できるのが魅力である。残念ながら9月なので花のシーズンは終わっていたようで、出来れば7月上旬頃のまだ雪が残っているときに来ればもっと最高の季節を味わえたかもしれない。
中門池に大きな中門岳の標識があるが、そこで休憩している人に聞いたら中門岳山頂はさらに進んだところとのこと。しばらくして中門岳山頂に思しきところに到着。対面には窓明山から会津駒ヶ岳の稜線がはっきり望めた。まさしく学生時代のワンゲルでブッシュ漕ぎを強いられたルートである。ブッシュ漕ぎの辛さなどまったく覚えていないし、当時はずっと雨だったことから楽しかった記憶もない。ただこうして眺めると山々がどこまでも続いており、南会津の奥深さを感じさせてくれる。
中門岳山頂からの眺めをひととおり味わった後、山頂にある池塘の周りを1周して元来た道に戻る。空の雲もだんだんと少なくなり、時折日が差して明るくなる。今度は燧ヶ岳や至仏山、それに平ヶ岳の山々が望める。
中門池で記念写真を撮って、木道の側に咲いている花々を撮りながら駒ノ小屋に戻る。
駒ノ小屋の前のベンチで昼食を取る。陽射しが出てきて暑くなってきた。昨日道の駅で買ったお稲荷やお餅を食べたので、お湯を沸かしたが熱いコーヒーよりも温かいお茶にして飲んだ。
駒ノ小屋から登ってきた道をそのまま下るのであるが、登る時よりもまったく元気であった。しかしながら水場の手前で不覚にも転倒してしまった。やはり足が弱っているのであろう。水場で休憩したのちはストックを両手に持ち慎重に下る。登山口に近づくにつれ足の筋肉が少々痛くなってきた。やはり筋肉の衰えを感じる。そうこうするうちにやっと登山口に出て、ぶらぶら駐車場に着いたら周りの車は殆ど出払っていた。
靴を履き替え、車でさっそく昨晩と同じく道の駅の日帰り温泉で汗を流す。今日中に東京に帰らなければならないので、昼食は車内で残ったおにぎりなどを食べることにして風呂から上がったらすぐ東京に向けて出発した。
幸い東北道も圏央道も大した渋滞もなく午後7時には八王子に到着。先輩を下して自宅には午後8時に帰宅することができた。
会津駒ヶ岳で出会ったお花
会津駒ヶ岳から中門岳の稜線はまさに天空の楽園です。9月に入ってしまいましたので、高山植物の季節は過ぎ去り秋の気配も少々感じざるを得ませんが、それでも小さな草花が一生懸命花を咲かせていました。
感 想
最初は8月の燧ヶ岳登山のリベンジということで計画したが、途中で会津駒ヶ岳に変更した。会津駒ヶ岳の百名山の一つで、学生時代のワンゲル夏合宿で行ったので、一応制覇ということにしていたが、何しろ遠い学生時代の話であり、それもブッシュ山行で雨にたたられていたこともあり、まったく記憶がない。今回こうして天気の良い時に会津駒ヶ岳に登り、改めて南会津の山の魅力に接することが出来て満足している。
山登りの魅力は、苦労して登って山頂から見えるダイナミックな景色を見ることもひとつであるが、山頂から昔登った山々を眺めるのも楽しい。今回は特に厳しいブッシュ山行の山々を眺めることが出来て、年老いて体力はなくなった自分は、過去にはこういう厳しい山行をしていたのかと改めて認識した。また50年以上経て、確かに木道など整備されているが自然はそのまま残っていることに自然の素晴らしも感じさせられる。
改めてワンゲル時代の文集「霧第20号(昭和46年度活動報告)」夏合宿報告を読むと12人のパーティが一丸となってブッシュに挑んでいたことが伺える。ブッシュ漕ぎのことはまったく覚えがなく、とにかく雨にたたられたことだけが記憶に残っている。当時は道のない場所を地図と磁石を頼りにコースを確かめながら歩くという、YAMAPなどのスマホ地図にGPSで現在地を表示してくれる現代の登山とは比較にならないくらい技術が要求される山行であった。また10日間にも及ぶテント泊による山行であったことに若さを感じるとともに、今回中門岳からブッシュ漕ぎの山脈を眺めるにつけ、今の体力では到底考えられない山行をよくやったもんだとつくづく感慨に耽った。